自己の財産におけるのと同一の注意義務
被相続人が亡くなってから遺産分割がなされるまで、各相続人は自己の財産におけるのと同一の注意を持って財産を管理しなければならないと考えられています。
自己の財産におけるのと同一の注意義務に対して、善良な管理者としての注意義務というものがあります。
自己の財産におけるのと同一の注意義務は、善良な管理者としての注意義務と対比して考えた方がわかりやすいです。
まず、善良な管理者としての注意義務が求められる場合には、客観的に見て管理者として要求されるであろう注意が欠けている場合に、注意義務違反になります。
それに対して自己の財産におけるのと同一の注意義務が求められる場合には、管理者ではないので、よっぽど乱暴に扱ったり、わざと壊すなど、そういった場合でない限りは、注意義務違反とはなりません。
住んでいた家
相続財産に、被相続人が特定の相続人と一緒に住んでいた家が含まれる場合には、特殊な事情がない限り、基本的には特定の相続人が遺産分割がなされるまで無償で使用することができると解されています。
相続財産管理人
相続人全員の合意がある場合には、相続財産管理人というものに、相続財産の管理を任せることもできます。
相続財産管理人は、自己の財産におけるのと同一の注意では足りず、善良な管理者としての注意が要求されることとなります。