労務の提供又は財産上の給付
寄与分が認められたケースとして、どのようなものがあったかを、紹介したいと思います。
・長い間被相続人の営む事業に従事していたが、他の従業員に比べて著しく低い給料(2、3割程度)しかもらっていなかった被相続人の子ども
・被相続人の養子になり、事業を営む被相続人の事実上の後継者として事業に従事していた、被相続人の娘婿
療養看護その他の方法
・被相続人の入院後に付き添い看護をしていた被相続人の後妻
・息子夫妻と同居をして、自身の収入の大部分を息子夫妻との生活費に費やしていた父母
特別な寄与
家族として要求されるような範囲での寄与では足りず、「特別な寄与」なのかどうかで線引きをしているとされますが、言葉にとらわれる必要はないと私は思います。
そもそも寄与分というのは、「相続人間の実質的な公平」のための制度なので、この人に多めにあげないと不公平だなと思う程度の寄与を「特別な寄与」と名付けたのではないでしょうか。
認められるのは相続人のみ
さて、寄与分が認められるのは、相続人のみです。
例えば、どんなにマスオさんが波平さんの介護に手を尽くしたとしても、マスオさんには寄与分は認められないのです。
ただし、それではやっぱり不公平だということで、マスオさんはサザエさんの「履行補助者」であるとして、サザエさんの寄与分として認めた例もあります。
履行補助者というのは、雑な言い方ですが、「手足」くらいに考えればいいと思います。
ちなみに、相続を放棄した人も、最初から相続人でなかったものとして扱われるため、寄与分は認められません。