特別受益の具体例

遺贈

昨日は、特別受益についてお話ししました。
では、具体的にどのようなものが特別受益に当たるのでしょうか。

まず、民法では「遺贈を受け、または婚姻もしくは養子縁組のためもしくは生計の資本として贈与を受けた者」を特別受益者としています。

まず、遺贈に関しては目的を問わず全て特別受益に当たります。
遺贈というのは、自分が亡くなった時に財産の全てまたは一部を特定の人に与える旨の意思表示です。

婚姻もしくは養子縁組のため

贈与に関しては、特別受益に当たるものと当たらないものがあります。
婚姻もしくは養子縁組のための贈与として典型的なのは、持参金や支度金、結納金や挙式費用が考えられますが、ざっくりいうと、持参金や支度金は特別受益に当たり、結納金や挙式費用は特別受益に当たらないと解されることが多いです。

ちょっと言葉がわかりにくいと思うのですが、

持参金
:結婚の際、一方の配偶者が、もう一方のために用意する貨幣等の財産のこと。

支度金
:用意や準備に要する金銭。特に、就職や結婚の準備に必要な金。

結納金
:婚約の印として男性側から女性側に贈られるお金のこと。

と、定義されています。

どんな基準?

一見同じようなものに見えるのですが、持参金や支度金については、結婚後の生活のために使われることが多いのに対して、挙式費用や結納金は、結婚式を挙げるに際して使われることが多いということから判断が分かれているようです。

昔は、親が結婚式の費用を出すのが一般的だったために、その費用は親が支払うもの、しかしその後の2人の生活のために使うお金に関しては、2人が出すべきものなので、遺産の前渡しであるという考え方なのだと思います。

その他の具体例については、また明日お話ししたいと思います。