「外国人関連」カテゴリーアーカイブ

高度専門職1号の優遇措置

長々と、高度専門職1号イロハについてお話してきましたが、そもそも、「高度専門職」というのは、海外の優秀な人材に対して、日本で生活しやすい環境を用意し、比較的長めの在留期間を定めることで積極的に日本で働いてもらうために作られたものでした。
では、高度専門職1号にあたると、どのようないいことがあるのか?
これからお話ししたいと思います。

1 複合的な在留活動ができる
通常は、許可された在留資格以外の活動をするためには、資格外活動許可を得る必要があります。
以前お話しした、留学生がアルバイトをするような場合ですね。
これに対して、高度専門職1号の資格で滞在する場合には、他の在留資格をまたいだ活動をすることができます。

2 「5年」の在留期間が付与される
高度専門職にあたると、法律上の最長期間である5年の在留期間が付与されます。
もちろん、更新も可能です。
特に、「経営・管理」の在留資格の場合、1年の在留期間しか付与されないことが多く、5年の在留資格を得るのはなかなか難しいのですが、高度専門職1号にあたる場合には、最初から5年の在留機関が付与されます。
じっくりと腰を据えて事業に臨むことができますね。

以上の2つの優遇措置だけでも、とってもメリットがある気がしますが、これだけではないのです。
次回にお話ししますね。


高度専門職1号ハ(続き)

高度専門職1号ハについてお話ししていました。
学歴、職歴に続きまして、年収に振られているポイントからです。

活動機関および外国の所属機関から受ける報酬の合計が年3000万円以上だと50点、2500万円以上3000万円未満だと40点、2000万円以上2500万円未満だと30点、1500万円以上2000万円未満だと20点、1000万円以上1500万円未満だと10点です。
「イ」「ロ」に比べると、年収の基準が高いですね。
経営管理の職についている人は、高い報酬を得るのが当然という考えなのでしょうか。
一応私も自分の事務所の経営者なのですが…鼻血が出そうな数字ですね 笑

さて、「イ」にも「ロ」にもあった年齢と研究実績についてのポイントや、「ロ」にあった資格についてのポイントは、「ハ」にはありません。

代わりに地位についてのポイントがあります。
代表取締役、代表執行役または代表権のある業務執行社員だと10点、代表権のない取締役、執行役または業務執行社員だと、5点です。

「ハ」についても、特別加算されるポイントがいろいろあります。
よく使われそうなものは「イ」や「ロ」と同様、日本の大学を卒業し又は大学院の課程を修了して学位を授与されている場合に10点、日本語を専攻して外国の大学を卒業していたり日本語能力試験N1合格相当日本語能力がある15点、N2相当ですと、10点というものです。
その他に「ハ」独特のものがありまして、日本の機関の行う貿易その他の事業に1億円以上を投資すると、5点加算されます。


高度専門職1号ハ

今日は、高度専門職1号「ハ」についてお話ししたいと思います。

「法務大臣が指定する本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動」が「ハ」にあたります。

ざっくり言いますと、「日本の機関での、貿易などの事業の経営や事業の管理に従事する活動」です。
高度専門職以外の在留資格でいうところの「経営・管理」にあたるものですね。

では、高度専門職1号ロのポイントについても見てみましょう。

まずは、学歴。
経営管理に関する専門職学位(MBA、MOT)があると25点、博士の学位もしくは修士の学位または専門職学位があると20点、大卒またはこれと同等以上の教育を受けている場合には、10点です。
さらに、複数の分野において、博士、修士もしくは専門職学位を有していると、5点加算されます。
「イ」「ロ」と異なり、博士の学位よりも、経営管理に関する専門職学位が重視されています。

続いて職歴ですが、事業の経営又は管理に関連する実務経験が、10年以上で25点、7年以上10年未満で20点、5年以上7年未満で15点、3年以上5年未満で10点です。
「イ」「ロ」よりも、実務経験のポイントが5点ずつ高くなっています。

次は年収に関してなのですが、ここからはまた次回にしたいと思います。


高度専門職1号ロ(続きの続き)

高度専門職1号ロのポイント振りについてお話ししていました。
今日は研究実績からです。
(1) 発明者として特許を受けた発明が1件以上あること
(2) 外国政府から補助金、競争的資金その他の金銭の給付を受けた研究に3回以上従事したことがあること
(3) 日本の機関において利用されている学術論文データベースに登録されている学術雑誌に掲載されている論文が三3以上あること
(4) (1)から(3)までに該当しない研究実績で当該外国人が申し出たものであって、これらと同等の研究実績として、関係行政機関の長の意見を聴いた上で法務大臣が認めるものがあること
これら(1)から(4)の中で当てはまるものがあると15点です。

高度専門職1号イでは、1つ当てはまれば20点、複数で25点なので、高度専門職1号ロよりもイの方が研究実績が重視されているようですね。
その代わりに、高度専門職1号ロでは、「資格」という項目があります。

従事しようとする業務に関連する日本の国家資格(業務独占資格または名称独占資格)を保有、またはIT告示に定める試験に合格、または資格を保有している場合、
1つ保有(合格)で5点、複数の場合には10点です。

上記の各項目に加えて、特別加算されるポイントがいろいろあります。
よく使われそうなものは、日本の大学を卒業し又は大学院の課程を修了して学位を授与されている場合には、10点が加算されます。
また、日本語を専攻して外国の大学を卒業していたり日本語能力試験N1合格相当日本語能力があると、15点が加算されます。
N2相当ですと、10点です。
はい、イと同じですね。

全体としては、高度専門職1号イと全く同じところもあれば、少し異なるところもありました。

明日は最後の「ハ」の活動についてお話ししたいと思います。


高度専門職1号ロ(続き)

高度専門職1号ロについてお話ししていました。
学歴、職歴に振られているポイントについてはお話ししましたので、今日はその続きからです。

次は年収です。
契約機関および外国の所属機関から受ける報酬の合計が年1000万円以上だと40点、900万円以上1000万円未満だと35点、800万円以上900万円未満だと30点です。
さらに、40歳未満の人に限り、700万円以上800万円未満だと25点、600万円以上700万円未満だと20点、
35歳未満の人に限り、500万円以上600万円未満だと15点、
30歳未満の人に限り、400万円以上500万円未満だと10点です。

高度専門職1号ロに関しても、イと同様、博士号を持っていて(30点)年収1000万円以上もらっていれば(40点)、即70点取れてしまいます。

続いて、年齢です。
30歳未満だと15点、30歳以上35歳未満だと10点、35歳以上40歳未満だと5点です。
こちらに関しても、イと同様に、年功序列の補正という感じで、20代で700万円以上もらっていれば、40歳以上で1000万円以上もらっている人と同じポイントになります。

次は研究実績についてなのですが、ここから先は次回に回したいと思います。